2023年を迎え、沖縄県内各地では新年の幕開けを祝う様子が見られた。初日の出を拝む人や初詣に訪れる人、初ライブに臨む人。それぞれの思いを胸に今年1年の幸せを願った。
米軍新基地建設が進む名護市辺野古の浜では1日朝、基地建設に反対する市民有志が初日の出を見に集まった。午前7時半ごろ、厚い雲の合間から光が差すとじっと見詰め、思いを新たにした。
娘や孫と訪れた新垣善典さん(69)=那覇市=は「平和な世界を願う。基地は辺野古の豊かな自然、平和とかけ離れた存在ということを孫に伝えたい」と話した。
中城村の成田山福泉寺では、参拝客が新しい年への期待や平穏を願って手を合わせる姿があった。沖縄市から訪れた新垣敏子さん(68)は「初孫が4月から中学生になる。笑顔あふれる楽しい学校生活を送ってほしい」と願った。
久高島を望む南城市知念久手堅の市地域物産館では2日、観光協会主催の「なんじょう島唄LIVE」が開かれ、市内在住の唄者らが観光客らを前に歌三線で味のある歌声を響かせた。民謡歌手の與那嶺眞裕さん(31)=南城市=は幕開けに与那国島の民謡「今日が日ドゥンタ」を披露。「先輩たちが歌い継いだ古謡を集め、歌三線で多くの人に伝えたい」と前を見詰めた。
(岩切美穂、新垣若菜、金城実倫)