柳宗悦の直筆原稿も ジュンク堂那覇で「新春古書展」 貴重な本や資料を展示・販売 来月末まで


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県内15古書店が貴重な書籍などを出展している第6回新春古書展=17日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 古書店が貴重な本や資料を展示・販売する第6回ジュンク堂新春古書展(全沖縄古書籍商組合主催)がジュンク堂書店那覇店で開かれている。2月28日まで。思想家で「民芸運動」を提唱した柳宗悦(1889~1961年)が雑誌「科学ペン」1940年9月号に掲載した「琉球文化の再認識に就て―沖縄県知事に呈するの書」の直筆原稿なども出展している。

 「琉球文化の~」は全県的な標準語励行運動を展開した沖縄県庁に異議を申し立てた文章。沖縄を複数回、訪問した後に執筆され、柳の全集などにも掲載されている。

柳宗悦の直筆原稿「琉球文化の再認識に就て―沖縄県知事に呈するの書」(手前)

 柳ら日本民芸協会は40年1月に来県し、標準語励行の行き過ぎを批判して「沖縄方言論争」を巻き起こしている。

 ほか県出身の詩人、山之口貘の『山之口貘詩集』初版(40年)や、元日本共産党書記長の徳田球一が選挙の応援で演説した様子を記録した「徳田球一大演説記念アルバム」(49年)なども出展されている。

 22日午後5時から鈴木耕太県立芸大准教授らが登壇するトークイベント「芸能の島・沖縄」もある。同展の問い合わせはジュンク堂書店那覇店、電話098(860)7175。
 (宮城隆尋)