【沖縄】沖縄県沖縄市池原にある廃棄物最終処分場に積まれた廃棄物内にたまった水や、処分場内外の地下水から人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が高い値で検出されていたことが1日までに分かった。処分場周辺には、くみ上げた地下水をためて農業用地に送る施設「ファームポンド」が3カ所ある。そのうち処分場から南に約1キロ離れた地点から地下水をくみ上げている施設では、2021年11月の調査で1リットル当たりPFOSとPFOAの合算で最大270ナノグラムが検出された。環境省が設定している公共用水域、地下水といった水環境に関する暫定指針値50ナノグラムの5.4倍だった。
PFASに関する水質基準については、水道水や水環境では暫定指針値が設定されているが、農業用水では設定されていない。研究者は「農作物を介したPFAS摂取の影響はよく分かっていない」として、調査・研究が急務だと指摘した。
調査した県環境部環境整備課は「いずれも飲み水として使われていないことを確認している。人体にじかに摂取されることはないと考えている」としている。
農業用水施設を管理する沖縄市農林水産課は、基準が設定されていないことから農家に対して使用を控えるよう通知などは行っておらず「基本的に使っていく」という姿勢を示した。その上で「情報を集めている段階だ。使用を止めるためには根拠が必要で、集めた情報を基に今後の対応を検討していく」と説明した。
その他、廃棄物群内にたまった水からは19年11~12月に最大2万7000ナノグラムが検出され、暫定指針値50ナノグラムの540倍となった。
(石井恵理菜、安里周悟)
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