昨年10月に那覇市立図書館・図書室がサイバー攻撃を受け、貸し出しや検索ができないなどのシステム障害が発覚した件で、同館のシステムを不正な通信から守り、同館のネットワークを保護する二つの装置がコンピュータウイルス「ランサムウエア」の感染経路になった可能性が高いことが8日までに分かった。同館によると、感染経路になった可能性がある二つの装置は2019年に運用を開始して以来、更新(アップデート)が行われず、脆弱(ぜいじゃく)な状態が続いていた。更新されていなかった装置は「ファイヤーウオール」と「VPN(仮想専用線)」。両装置は更新することで不具合の修正やセキュリティーを強化できるが、19年に運用を始め、一度も更新した記録はないという。
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島袋元治館長は「最終的な調査報告がないので詳細は分からない」と話し、更新しなかった理由は「セキュリティー機器などの契約に、更新に関する取り決めがなく、リース会社と運用会社、図書館の間で責任が曖昧になっていた」と説明。利用者の個人情報について「ウイルスの影響で、流出したかどうか確認できない」とした。データを複数の方法で保存するなどして、危機管理の改善を図っているという。
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