ご先祖さまにサービスしすぎた? あの世のお金「ウチカビ」の煙で消防車両10台が出動 沖縄・那覇


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ウチカビ(資料写真)

 グソー(後生=あの世)の正月に当たる「十六日祭」の6日(旧暦1月16日)、沖縄県那覇市識名で、燃やしたウチカビを巡って消防が緊急出動する事態となった。

 那覇署や那覇市消防局によると、6日午後6時55分ごろ「焦げた臭いがする」と119番通報があった。はしご車など車両10台、隊員ら約40人が出動し、現場周辺の住宅街は赤色灯に照らされ物々しい雰囲気となった。現場で火災は確認できず、駆け付けた警察官らが煙の出どころを捜索し、ウチカビを燃やした際の煙と判明した。ウチカビはすでに家人が水をかけた後だったという。

 近隣住民は「夕方にドアを開けると真っ白い煙が上っていた。後になって『ウチカビを燃やしていた』と聞いた。なぜ?と思いカレンダーを見て納得。火事でなくよかった」と苦笑した。

 ウチカビは旧盆や清明祭の際、先祖の霊がお金に困らないように、燃やしてあの世へ一緒に送り出す。消防局の担当者は「ウチカビはあの世では1枚でも十分な価値があると聞く。燃やす量を考えて、火の元に注意して取り扱ってほしい」と注意を呼びかけた。

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