今話題の「リスキリング」なぜ必要?学び続けることが重要である理由<沖縄お仕事相談デスク>


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

今回のお悩み

「リスキリング」という言葉を最近耳にしますが、そんな余裕はありません。

転職を考えているわけでもないのですが、リスキリングが必要なのでしょうか。

 

今回の回答者は…

組織づくりならお任せ!

Cosmic Consulting代表で組織コンサルタントの

波上こずみさんです。

 

昨今、「リスキリング」という言葉の認知が広がってきました。

経済産業省では、リスキリングを以下のように定義しています。

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」

(経済産業省「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」資料2-2)

 

沖縄のみなさんは、リスキリングを行っていますか?

 

私は仕事柄、専門性をより磨くために、年に何回か沖縄県外で主催される研修、オンラインセミナーなどの学びのカリキュラムを受講します。そこで毎回驚くことがあります。それは、会社から派遣されている参加者よりも、自費で個人的に研修やセミナーに参加しているビジネスパーソンが多いことです。個人的な感想ですが、これは沖縄ではあまり見られない光景だなと感じます。

私のように、自分の知識がビジネスと直結する専門家やフリーランスの方々であれば納得なのですが、特に独立をしているわけではない一般社員の方々でも、

「関心がある分野なので学んでみたかった」

「今の仕事にすぐに必要ではないかもしれないけど力をつけておきたい」

「今のチームを良くするために知識を身につけたい」

などの理由で、自発的に参加しているのです。決して安くはない研修費用を、自分で負担してでも学ぼうという姿勢に、何度も感銘を受けた経験があります。

あくまで個人的な印象で、沖縄県民のリスキリングに関する客観的なデータに基づいているわけではないのですが、周囲や関わる人々を見ていても、沖縄ではまだリスキリングに関する意識がそこまで高くないように感じます。

なぜ沖縄ではリスキリングが進まないのでしょうか。

 

■沖縄のビジネスパーソンがリスキリングを行っていない理由

「女性のリスキリング白書2022〜就業形態別のリスキリングに関する調査レポート(株式会社Waris調査)」のデータによると、リスキリングを行っていない理由の上位3つは

  • 時間が足りないから
  • 何を勉強したらよいのか分からないから
  • どのように勉強したらよいのか分からないから

という結果が出たそうです。

次いで

  • お金が足りないから

と言う理由もありました。

また、正社員に比べて非正規社員においては、リスキリングの認知率も低い傾向にあるそうです。

このデータは女性に絞った調査ですが、沖縄でのリスキリングにおける課題と共通点があるのではないかと考えられます。

つまり

  • 沖縄では男性も含めて非正規社員が多い(=費用がかけられない)
  • 余裕がない(=時間がない)
  • 何を勉強したらよいか分からない

という点が、沖縄でリスキリングが進まない理由なのではないかと想定します。

 

■それでも学び続けることが重要であるワケ

自分自身を鑑みても、会社員時代は、学ぶ場は会社が提供するものと考えていて、自分から積極的に何かを学ぼうとはしていませんでした。かつてのように、会社に入社したら定年まで働き続けられる時代であれば、その姿勢でも問題なかったのかもしれません。

ところが、人生100年時代になりました。一つの会社に定年まで働き続けられる保証はありませんし、定年後も働き続けることが前提となってきます。そのためには、自分の強みを生かしながらキャリアを自ら積み重ねていくために、常に学んでいく姿勢が大変重要になってきます。

もちろん、「時間がない」「お金がない」というのも現実だと思います。

一方、そう言い続けて何も学ばないままでは、激動する社会の波に乗れず、今の働き方から一生抜けきれない人生を送ってしまいかねません。

逆説的に言うと、収入を高めてゆとりのある働き方を実現するためにも、学び続け、自分の価値を高めることがこれからは大変重要なのです。

 

■「何を学ぶか」よりも先に「自分がどうありたいか」を考えよう

リスキリングを行わない理由の一つ「何を勉強したらよいか分からない」について、リスキリングの内容もさまざまですので、そう感じるのも理解はできます。

ただ、何を勉強するかというよりも先に、将来自分がどうなりたいかを描くことがポイントだと考えます。

・自分が身につけてきたスキルや経験

・自分の強みと弱み

・やりたいこととやりたくないこと

これらを洗い出し、将来どういう自分になりたいのか、言語化してみましょう。将来のビジョンに向けて、どのような学びが必要かが、見えてくると思います。

 

■沖縄県民のみなさん、ポジティブに学び続けよう!

勉強というイメージから、ネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、リスキリングは自分のキャリアを向上させ、人生を豊かにするための手段です。誰かにやらされることではなく、自分を軸に、ありたい自分に近づくためポジティブに学び続けていきましょう。

◇執筆者プロフィル

波上こずみ(なみのうえ・こずみ)
株式会社Cosmic Consulting  代表取締役。組織コンサルタント

子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。

「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。
那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。

 楽しく働くためのコツ、チームで成果を上げるためのポイントなどを綴ったnote→ https://note.com/cosmic56