「笑点」新レギュラー春風亭一之輔、沖縄で高座 旬の話芸、笑いの渦


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話芸で会場を笑いの渦に包む春風亭一之輔=7日、那覇文化芸術劇場なはーと

 「春風亭一之輔のドッサリまわるぜ2022」(主催・沖縄テレビ放送)が7日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとで開催された。人気と話題を兼ね備えた落語家が、なはーと初の高座を飾り、観客の期待通り会場を笑いの渦に包んだ。

 一之輔は5日に、人気演芸番組「笑点」の新しいレギュラーメンバー入りが発表されたばかり。オープニングトークでは「これからいばらの道。過去には途中で引きずり下ろされた人もいる」と笑わせた。

 開口一番で、沖縄に祖母がいるという春風一刀が一席打ち、一之輔は1部で「加賀の千代」と「お見立て」、2部で「愛宕山」を演じた。「笑点」メンバー入りを知り来場した「初落語」という観客も多くいたためか、1部のまくらでは著名なアニメ映画の話でたっぷり笑わせた。観客の心を十分にほぐし、本編では、よどみない語りと愉快なしぐさで、さらに笑いをかっさらった。

 2部のまくらではトーンを少し落として、首里城焼失後に歩いて現地を訪れたことを振り返った。本編の「愛宕山」では、動きの多い同作をじっくりと演じた。1部と2部を通じて、多角的に落語の魅力を伝え、観客をうならせた。

 一之輔は「穏やかならぬ日々が続いておりますが、心の底から笑える、そんな日に一日も早く戻れますように」と語り掛け、観客と共に三本締めで幕を下ろした。

 初めて落語を生で見たという石垣真聖さん(10)は「言葉の選び方や話し方一つで、物語の世界観が十分に表現されていて、爆笑した」と目を輝かせた。

(藤村謙吾)


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