「車なしでも観光」のニーズにどう応える? ポストコロナの沖縄観光の姿探る 公庫調査


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レンタカー(イメージ写真)

 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は20日、「ポストコロナ時代における沖縄観光の二次交通に関する調査」を発表した。特に子ども連れの家族旅行では車を使わない移動に不便を感じる場面が多いことから、レンタカーを使わないで沖縄を旅行した人の実体験を交えた発信強化や、徒歩30分程度の距離の移動を指す「ラストワンマイル」の交通サービス充実などを提言した。

 ウェブアンケートでは、車が主体となる地方観光地での移動手段について、車の運転に苦手意識を持つ人の中で「レンタカーや自家用車以外の交通手段で旅行したい」と回答した人は43.1%と、家族や友人など旅行の同行者の区分に関わらず最も多かった。運転以外の交通手段のニーズがある一方で、公共交通については不便さを感じている意見も多くあった。過去5年以内の車なし旅行で、旅行前の交通情報収集の不便な点として、未就学児を含む子ども連れでは「リアルタイムの混雑・進行状況がわからない」が32.4%、「乗り場情報が見つけにくい」26.8%、「時刻表が見つけにくい」が22.5%だった。

 沖縄旅行をした人に対するインタビューでは、子ども連れの車なし旅行の実体験に基づく情報が不足していることや、車なしの旅行でも事前に計画を立てていれば相応の満足感を得られる点などが浮かび上がった。

 調査結果を受けて、レンタカーを使わない沖縄旅行の実体験情報を交えた発信を強化することが重要だと指摘した。路線バス降車後の観光地への移動や、観光地間の移動など、徒歩30分程度の「ラストワンマイル」に有効な電動サイクルや電動キックボード、トゥクトゥクなどを整備し、利用者の予約に応じて運行する乗り合い型サービス「オンデマンド交通」の活用を提言した。

 調査は日本交通公社に委託した。調査の全容は沖縄振興開発金融公庫のホームページから。
 (與那覇智早)