電気料金値上がり分、沖縄の企業96.8%が「価格転嫁できていない」 全国より割合が高い理由は? 東商調べ


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 東京商工リサーチ沖縄支店は22日、沖縄県内の企業を対象にした電気料金の値上がりに関するアンケートの結果(53社)を発表した。2月1~8日にインターネットで実施し、調査に「回答できない」と答えた7社を除いた計46社のうち、38社(82.6%)が直近1カ月の電気料金が前年同月より「値上がりした」と答えた。また、値上がりしたと回答した企業のほとんどが、価格に転嫁できていない状況も浮かび上がった。

 「値上がりしていない」は8社(17.4%)だった。全国調査では「値上がりした」の割合は94.6%だった。

 「値上がりした」と答えた県内38社に、増加分をどの程度価格に転嫁できているかを問う質問には31社が回答した。「転嫁できていない」が30社(96.8%)とほとんどを占めた。業種別では「卸売業」が9社、「サービス業ほか」と「建設業」が各7社などだった。

 価格に転嫁できているとした1社も、転嫁幅は電気料金増加分の10%未満にとどまると回答した。

 東京商工リサーチ沖縄支店は、今後価格転嫁が進まなければ「値上げが企業収益に深刻な影響を及ぼす可能性が強まっている」と指摘している。

 全国調査では価格転嫁ができていないと答えた割合は90.9%で、県内の方が転嫁できていない割合が高くなっている。沖縄支店の担当者は「沖縄は事業規模の小さい企業が多く、価格転嫁になかなか踏み切れない環境が影響しているのではないか」と語った。

(當山幸都)