沖縄県、ウクライナ避難民の支援継続へ 1月末現在で16世帯23人 住宅や医療費…継続への課題は


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沖縄県庁(資料写真)

 ロシアがウクライナに侵攻を始めて24日で1年がたった。遠く沖縄県にもウクライナから避難する人々がおり、1月末現在で16世帯23人が県内で避難生活を送っている。県はこれまで県営住宅や医療の無償提供や多言語相談窓口の設置、商品券の配布などの生活支援を実施してきた。県は2023年度も支援を継続する方針だが、国の補助金の一部が次年度以降も活用できるか見通しが立っていないため、支援金の財源について課題の一つに挙がっている。

 県によると、これまで沖縄県内に避難してきたウクライナ人は17世帯24人に上る。このうち1人は昨秋にポーランドへ移住した。

 県は避難民受け入れのため、昨年3月に県ウクライナ避難民等支援本部を設置し、支援策などについて検討を始めた。臨時の措置として県営住宅21戸の無償提供を決定し、入居を希望した5世帯10人が昨夏までに入居した。

 県住宅課は次年度以降の県営住宅の提供対応について、今後検討を進めるとした上で「国や県、市町村などとも連携し、避難者が今後どうしたいのかという部分を整理したい」と述べた。

 県はこのほかに医療費についても全額負担する支援を実施している。県交流推進課によると、現在は新型コロナウイルス対策で幅広い用途に使える「地方創生臨時交付金」を避難民の医療費に充てているが、5月以降に新型コロナの感染症上の位置付けが5類相当に移行すると、引き続き活用できるかが不透明な状況になる。県は来年度も医療を無償提供するため、一般財源も含めて検討を進めている。

 22日に開かれた県議会2月定例会の代表質問で、宮城嗣吉文化観光スポーツ部長は「県内で積極的に避難民支援を実施している関係機関と連携し、きめ細かに対応する」と述べた。
(武井悠、梅田正覚)