「応募を絞る学生が増えた」…23年卒の採用「計画より減」59% 求人おきなわ、沖縄県内の企業調査


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 2023年春に卒業する学生の就職採用を巡り、求人おきなわ(山城正文社長)は27日、県内企業の内定状況に関する調査を発表した。企業の採用活動の充足度では「計画より減少」が59.6%となり、09年卒以降では過去3番目に高い水準となった。「計画より減少」と回答した企業からは、応募の減少や内定辞退の増加を指摘する声が相次いだ。

 採用数が計画に達しない割合が増えた要因として、求人おきなわ営業部の伊計紫穂次長は「インターネットによる情報収集などによって説明会には参加せず、応募企業を絞った就職活動をしている学生が増えている可能性がある」と推測。ウィズコロナが進みあらゆる業種で人手不足が顕在化する中、県内企業が人員確保に苦心する状況が浮き彫りとなっている。

 企業が個別に実施した説明会への参加人数は「減少」が前年比16.5ポイント上昇の30.8%となり、採用試験への応募も「減少」が同31.5ポイント上昇して57.7%と過半数を占めた。

 採用活動の状況では「当初の予定通り進んだ」は40.4%、「当初の予定通りには進まなかった」が36.5%となり、二極化が見られた。採用活動で力を入れたこと(複数回答)では「合同企業説明会への参加」「個別会社説明会」がともに57.7%で最も高かった。

 伊計次長は「企業側と直接対話することで得られる情報もある。将来を考えるきっかけとして、自信を持った就活をしてほしい」と話し、学生が説明会などに参加するメリットを強調した。

 調査はインターネットを通じて実施し、県内企業52社から回答を得た。
 (小波津智也)