甘い香りの伊江島産ラム完成 8離島の黒糖ラム出そろう 瑞穂プロジェクト、新展開へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
 8離島の黒糖を使ったラム

 瑞穂酒造(那覇市、玉那覇美佐子代表)は27日、県内8離島の黒糖からラム酒を製造する「ワンラムプロジェクト」の8作目となる、伊江島産の「イエアイランドラム」の完成を発表した。これまでの7作はメーカー販売分が完売し、追加生産の要望も寄せられている。JAおきなわや琉球大、バー関係者らを巻き込んだプロジェクトは今後、8島の黒糖をブレンドしたラムや、本島産サトウキビのラム開発など新展開を見据える。

 伊江島産は青リンゴやハーブのような清涼感のある香りや、甘く香ばしい風味が特徴。

 800本限定で28日から県内の各酒販店で、3月7日から県外で発売される。度数は8作の中で最も高い48度で、500ミリリットル入り、税込み4400円。

 瑞穂酒造は2020年11月にプロジェクトを打ち出し、21年7月に第1弾の伊平屋島産の黒糖ラムを発売した。これまでに計15トンの黒糖を使用。県産黒糖の在庫解消や、離島魅力発信にも一役買っている。

 見た目で商品を手に取ってもらえるよう、ラベルには各島を代表する意匠を取り入れ、しゃれたデザインに仕上げた。伊江島産には伊江村花のテッポウユリを、今年1月に発売した西表島産にはイリオモテヤマネコのモチーフをあしらった。

 ラムはカリブ海の地域が産地として知られるが、瑞穂酒造商品開発室の仲里彬室長は「沖縄にはラムの聖地になり得る地理的優位性がある。国産で飛び抜けた大手メーカーがおらず、チャンスはある」と強調する。黒糖を原料とすることで独自の風味や香りが出せるとして、「和のテイストをまとったラムとしてグローバルに展開できる」と期待を込めた。
 (當山幸都)

「イエアイランドラム」を発表する瑞穂酒造の玉那覇美佐子社長(前列左から3人目)ら=27日、那覇市のJA会館