沖縄電力の自由料金、標準家庭で25%値上げ 4月から月1万979円


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沖縄電力(資料写真)

 沖縄電力(本永浩之社長)は28日、4月から値上げする自由料金の契約モデルを示した。送電網の使用料に当たる「託送料金」の値上げ分も含めて、標準家庭(月間使用量260キロワット時)の電気代は現行から45.8%増の1万2799円になるとした。ただ、2月分から政府の負担軽減策が始まっているため当面の間実際の月額は1万979円、値上げ幅は25%となる。

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 電気料金メニューには国の認可が必要な規制料金と、沖電の裁量で値段が決められる自由料金がある。規制料金の値上げは国が現在査定中で、沖電によると、今後申請よりも規制料金の上げ幅が圧縮して認可されれば、それに応じて自由料金も再度設定し直す。

 政府の負担軽減策を加味した自由料金の値上げ率は、一般家庭や小規模事務所など19万件が対象の「低圧」で24.1~25%。既に値上げされているオール電化のプランでは現行から値下げになる。

 ホテルや商業施設、工場といった事業者向けの「高圧」(対象2千件)の値上げ率は負担軽減策を加味すると39.6~43・5%。このうち、より電気を使用する産業用の「高圧B季時別」と呼ばれるプランの場合、標準モデルで現行の月間使用量約1081万円が、43.5%増の約1551万円に上がる。

 一方で、大規模な工場やショッピングモールが対象となる特別高圧は、政府の負担軽減策がない。沖電が示したモデルでは値上げ率が50.4~56.4%と大きく、月額で現行から1千万円近く電気代が上昇する。対象の契約は100件程度あり、企業活動への深刻な影響が懸念される。
(當山幸都)

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