沖縄電力、家庭向け39%値上げ申請 標準モデルで3473円増 来年4月にも実施 事業所向けも値上げ


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電気料金の値上げについて記者会見する沖縄電力の本永浩之社長=28日午後、那覇市内

 沖縄電力(浦添市)は28日、一般家庭向けを含む規制料金の値上げを経済産業省に申請したと発表した。認可されれば、標準的な家庭の電気料金(月間使用量260キロワット時、現行で月額8847円)は1カ月当たり3473円(39.3%)増え、1万2320円になる。ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響で高騰が続いている燃料価格を電気料金に反映させるための措置で、経産省の審査を経て2023年4月からの実施を目指す。

 商店向けなどの「低圧電力」も平均で32.9%の値上げ率となるほか、商業施設や工場などが対象となる「高圧電力」についても、契約内容によって40.7%~48.9%値上げする。

 沖縄電力の抜本的な料金改定による値上げは、第2次石油危機があった1980年以来となる。値上げ幅は、既に経産省に値上げを申請した県外大手電力と比較しても大きいものになっている。

 那覇市内で会見した本永浩之社長は「エネルギーの安定供給に大きな影響を与えかねない危機的状況だ。心苦しい限りだがご理解を賜りたい」と述べた。

 電気料金には国の認可が必要な規制料金と自由料金があり、沖電は今回の規制料金の値上げ申請に合わせて、自由料金についても値上げを実施する方針。値上げ幅の平均は規制料金で43.81%、自由料金で37.91%、全体で40.11%となる。

 沖電は今年4月、燃料費の変動分を電気料金に転嫁できる上限を超え、電力の供給コストが収入を上回る「逆ざや」の状況となっていた。燃料費高騰の長期化による経営悪化を踏まえ、規制の上限を超えて値上げするための認可を国に申請することに踏み切った。一方、今後4カ月程度が見込まれる審査の過程で、規制料金の値上げ幅が圧縮される可能性もある。
(當山幸都)

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