那覇市と民間女性が所有権を争う市有地を巡り、土地購入を希望する不動産業者から市議会の久高友弘議長(74)=自民公認、10期=らへ議長室で現金5千万円の受け渡しがあった問題について市議会は3日、各派代表者会議を開いた。久高氏は会派代表らに対し、議長室で現金の受け渡しをしたことについて「反省しないといけない。言い訳できない」と謝罪した。一方、現金は女性の後見人が「借用している」と主張し、自身が受け取ったことは改めて否定した。「法に触れていない」として即時の議長辞任は否定した。
共産は議長辞任を求め、百条委員会の設置を提案。議長出身会派の自民と同じ与党系の公明や無所属クラブからも「議会への信頼を失墜させた」などの指摘が上がった。会議での辞任要求は共産のみだったが「避けられない」(与党会派)といった見方があり、議会内で辞任論が強まっている。久高氏は進退について「時間を頂き、検討したい」と述べるにとどめた。
不動産業者によると、業者と久高氏、後見人らは、市有地が女性のものになった際に業者に売るという文書にも署名した。
久高氏は2004年から市議会で複数回この土地問題を取り上げ、現金受け渡しがあった後の21年12月には百条委設置を提案するなど、女性の所有権を主張してきた。
3日の会議で久高氏は、女性側から「真実を証明するには労力も資金も要る」と「お願い」があり、「ある人(不動産業者側)が資金を都合するから受け取ってくれという話だった」と主張した。
現金の使途について「調査に使った」と答えたが、その後、「(後見人が持っているので)何に使われているのかは分からない」と修正した。
議長室での現金受け渡しについて「避けたかった」が相手の要望だったとし、「昼休みにドアを閉めてやった」と明らかにした。
代表者会議は、説明を求める複数議員の要望に応じて久高氏が招集した。会議後、久高氏は報道陣の質問に答えず立ち去った。
(伊佐尚記)
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