化粧品の質向上へ 国際認証を取得 海外販売へ追い風と期待 沖縄の天然素材扱うポイントピュール


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化粧品製造の品質や安全性に関する国際規格「ISO22716」の認証を取得したポイントピュールの(左から)大道敦社長、大道真悟工場長=6日、那覇市内

 海洋深層水など沖縄の天然素材を使った化粧品などを製造・販売するポイントピュール(久米島町、大道敦社長)はこのほど、化粧品製造の品質や安全性に関する国際規格「ISO22716」の認証を取得した。新型コロナウイルス下で機器や研究開発に数億円を投資し、規格に適合する設備や衛生システム、文書体系の管理手順などを整えた。海外進出時にもメリットがあり、県産素材を生かした商品展開に一層力を入れる。

 同社は2019年に品質管理に関する国際規格「ISO9001」を取得。企業価値の向上につなげるため、その後要件がさらに厳しい「ISO22716」を目指し、1年半かけて22年12月に取得に至った。

 人の手に触れる製造工程を少なくし、高い品質を保証するための設備導入や、経営層と従業員の責任の明確化などの条件をクリアした。

 海外での販売開拓の際に、規格取得は取引先に対して品質や安全性の担保になる。特に同社が取引拡大を見込む台湾は「ISO22716」を採用しており、認証取得が追い風になるとみる。

 多品種を扱う久米島町の工場では生産能力が向上し、チューブ製品は1日平均1万本、フェースシートマスクは3万枚ほどを製造できるという。同社の大道真悟取締役工場長は「毎年維持審査があるので、レベルを上げて品質と製造管理を構築していく」と語った。

 大道社長は、創業21年間で従業員は5人から70人に増えたことなどに触れ、規格取得を機に「技術力を県内、国内外に発信していく」と強調した。
 (當山幸都)