沖縄県が電気料金の追加支援へ104億円 家庭向けや一般事業者も対象に 国と連携し独自策 


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この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
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 4月以降の沖縄電力の電気料金値上げを巡り、沖縄県は国と連携して104億円規模の独自支援策を講じる方針を固めた。 

 既に県が支援を表明した大規模の工場、商業施設向け「特別高圧」に加え、一般家庭向けや一般事業者向けについても、国の負担軽減策に上乗せして電気代の値下げ措置を講じる。県は補正予算案を15日にも県議会に提出する方向で、内閣府などと調整を進めている。

 支援期間は5~9月を想定している。

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 新たな独自支援策は、一般家庭向けなどの「低圧」で1キロワット時当たり3円、産業用や業務用の事業者向けの「高圧」と特別高圧でそれぞれ2・3円を、既定の値引き措置からさらに値下げする内容。県の一般財源のほか、沖縄関係予算や地方創生臨時交付金を充てる。

 これまで値上げに伴う支援策としては、国が2月分の電気代から、低圧で1キロワット時当たり7円、高圧で3・5円の値引き措置を講じている。特別高圧は国の補助の対象ではなく、県が独自に1キロワット時当たり3・5円の軽減を図る方針を示していた。

 沖縄電力は現在、一般家庭向けで39・3%の値上げを申請中。新たに見直された託送料金の変動も含めると、標準家庭(月間使用量260キロワット時)の電気代は1万2751円となるが、国と県の支援策を踏まえると、2600円程度値引きされることになる。沖電が見込む高圧や特別高圧の値上げ率は家庭向けよりも高いが、支援策により一定の抑制が図られる。

 電気料金の高騰を巡っては、県内経済12団体で構成する「県経済団体会議」などが県や国に対して、財政支援を要請していた。関係者によると、経済界からの後押しを受け、県と国で支援策の事業スキームの構築を進めていた。県の池田竹州副知事が10日午後、記者会見で支援策について説明する。


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