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物価が上がるいま、備えるべきことは?金融リテラシー向上を<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日常で生活しているなかで、身の回りの“モノ”の価格(=消費者物価)が上がっていることを実感しますね。住宅や自動車・家電などの耐久消費財から、食品、水道光熱費、燃料などの日々の生活費まで、日常を取り巻くあらゆる価格が上昇しています。この数年の間で下がったものでパッと思いつくのは携帯電話の通信料くらいでしょうか。

 表は2020年を起点とした消費者物価の動きと実質賃金の動きです。実質賃金とは受け取ったお給料を消費者物価の変動の影響を差し引いて算出したもので、我々消費者の使えるお金の割合の変化を示しています。身の回りのモノの値段が上がっても賃金が同様に上がればいいのですが、物価が上がっているのに賃金が変わらなければ生活の質に影響してきます。

 最近の動向として消費者物価は一貫して上昇とインフレ傾向であり、それに合わせて実質賃金指数は低下しています。企業側も消費者への影響を抑えるよう企業努力を重ねていますがインフレの影響を大きく受けています。インフレは各国の金融政策の違い、ウクライナ情勢、安心安全への取り組みや制度改正、コロナ禍や自然災害、鳥インフル等要因はさまざまで複雑に絡み合っています。いずれにせよ、長らくデフレ下で生活してきた日常が急速に変化していることがうかがえます。

 先行きは誰にも分かりませんが、働き方改革、副業や転職の浸透、投資の促進など社会環境も変化してきました。個々人の情報・金融リテラシーを高めていくことが生活への備えに必要となります。

(沖縄銀行営業推進部上席調査役 上地良平)