公示地価、沖縄は3.6%上昇 10年連続 コロナ影響緩和で回復傾向


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
県内商業地の最高価格地点となった那覇市久茂地3丁目周辺=22日

 国土交通省が22日発表した沖縄県内の公示地価(1月1日時点)は、全用途平均で前年比3.6%上昇した。上昇は10年連続で、上げ幅も前年比1.6ポイント増と拡大した。前年に続き、新型コロナウイルスの影響緩和による回復傾向が見られた。住宅地、商業地、工業地の全てで変動率がマイナスの地点はなかった。

 調査は県内の都市計画区域21市町村192地点で実施した。

 上昇率を用途別に見ると、住宅地が前年比1・6ポイント増のプラス3.6%、商業地は同2ポイント増のプラス2.7%、工業地は同4.1ポイント減のプラス14.1%で、いずれも全国平均を上回った。住宅地と商業地は10年連続、工業地は11年連続の上昇となる。

 前回調査と比較可能な「継続地点」は、住宅地が123地点のうち上昇122、横ばい1で、商業地が59地点のうち上昇52、横ばい7だった。工業地は継続の全5地点で上昇し、このうち糸満市西崎町の上昇率はプラス25.9%と、昨年に続き全国で最も高かった。

 県内の最高価格地は、住宅地が那覇市おもろまち3丁目で1平方メートル当たり38万7千円(前年比1.3%増)、商業地が那覇市久茂地3の1の1「日本生命那覇ビル」で同197万円(同2.1%増)だった。

 県内の公示地価は20年まで4年連続で上昇率が全国1位だったが、コロナ感染拡大で観光客が激減し、21年は特に住宅地と商業地の伸び率が大きく落ち込んだ。22、23年と上昇傾向が強まっている。