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成熟期・衰退期が重要 ライフサイクルと経営戦略<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 みなさまは、「ライフサイクル」と聞いて何を連想されますか?個人の人生では、一生を「学生期」「成人期」「壮年期」「老人期」に区切って学費、住宅資金、老後資金等の資金計画の検討を行うことがあります。

 同様に企業においても、自社の商品・製品・サービスや企業の成長度合いについて、売り上げや利益、競合他社の数や顧客層等から見て、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の四つに区切って考えることができます。一般的な経営戦略として、「導入期」はいかにお客さまに自社を認識してもらうか、「成長期」は企業が大きく成長するための資金繰りや組織管理体制の強化、「成熟期」は価格競争への対応と競合先との差別化、「衰退期」は新規事業展開や事業再生および事業承継・M&Aへの対応等が重要であると言われています。中でも「成熟期」「衰退期」における戦略は特に重要です。

 コロナ禍から約3年が経過しましたが、コロナ以前の経営環境へは戻らないことも予想されています。

 これから企業の経営戦略を立てる際には、自社のライフサイクルに経営者ご自身の人生のライフサイクルを重ねた戦略を立てて、企業の成長発展を目指してみてはいかがでしょうか。金融機関等支援機関では、国や県等の公的機関や士業等の専門家とも連携し、資金繰り支援や販路拡大支援、事業承継・M&A支援等企業のライフサイクルに基づく成長発展を支えるためのさまざまな支援をしています。みなさまもぜひ一度相談をしてみてはいかがでしょうか。

(おきぎんJCB審査・管理部部長 仲西直樹)