「稼ぐ力の強化に向けた観光需要の年間平準化」に関する万国津梁会議の末吉康敏委員長(イオン琉球会長)らは30日、沖縄県庁で玉城デニー沖縄県知事に提言書を渡した。閑散期を楽しめるコンテンツ開発などによって、1年を通して楽しめる観光の在り方を提案しながら観光収入の平準化にも合わせて取り組むことで、稼ぐ力や県民所得の向上を図るよう求めている。
会議は2022年11月から今年3月まで3回の審議を重ねた。
提言書では、閑散期における入域客の滞在日数が短いことや消費単価の低さ、特定の時期や場所にコンテンツや客層が集中していることなどの課題を指摘した。
課題解決策として先進事例を挙げながら、具体的方針として(1)コンテンツ開発の促進(2)需要獲得の機会損失の低減(3)大型連休や中国の春節といった季節性の異なる市場の組み合わせ―など5項目に取り組むよう訴えた。
末吉委員長は「沖縄観光はシーズンのオンオフの差が大きすぎる。観光需要を平準化することで、沖縄が非常に生産性の高く所得も向上して幸せな県になれる」と述べ、提言を基にした施策の推進を求めた。
玉城知事は「平準化への意見を生かしていきながらその方向性への取り組みを進めたい」と述べた。
(小波津智也)