「人権行政の出発点に」「県民差別、検証が不十分」 対ヘイト条例、県議たちの賛否の主張とは


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沖縄県議会

 「人権行政の出発点になる」「沖縄差別条項がある限り反対する」。差別的言動の解消を図る「県差別のない社会づくり条例」を巡り、県議会最終本会議では5人の県議が賛否を主張した。賛成討論は喜友名智子氏(立憲おきなわ)と、照屋守之氏(無所属)の2人で、反対討論は小渡良太郎氏、新垣淑豊氏、座波一氏(いずれも沖縄・自民)が展開した。

 喜友名氏は、他国への罵倒や沖縄の歴史に対する差別的言動の事例を挙げ、「こうした言動がエスカレートすれば沖縄社会に何を生み出すのか」「危機感を条例案で伝え、条例成立により、県や県議会が人権尊重のメッセージを発することは大きな意義がある」と主張。罰則がないことへの不十分さを指摘しつつも、施行後の運用強化により「ヘイトスピーチや憎悪の扇動に歯止めを掛けることができる」と訴えた。

 自民会派の3人は、差別的言動の解消には賛同しつつも、各論で反対を表明。新垣氏は条例9条の「県民であることを理由とする不当な差別的言動」への措置について、法律で規定されていない沖縄県民への差別的言動を条例で規制するには「適法性の検証や議論が不十分」と述べた。小渡氏は、見直しを前提とした条例の運用は「現時点で県が不完全だと認めていることになる」と批判した。座波氏はネット上で見られる沖縄県民への誹謗(ひぼう)中傷は「沖縄県だけでなく全国どこにもあるネット社会の根本的問題であり、沖縄差別とするのは早計」と述べた。

 さらに、県外出身者が「言葉を間違おうものなら(差別的意図がなくても)沖縄差別と訴えられかねない」などと述べ、9条の内容が「将来世代に禍根を残す」と主張した。
 (嘉陽拓也)


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