「自衛官の人権尊重」決議を可決 沖縄・石垣市議会 退席7人「あえて自衛隊員だけ」と疑問も


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石垣市役所

 【石垣】石垣市議会(我喜屋隆次議長)は3月20日の3月定例会最終本会議で、箕底用一市議が緊急動議で提出した、「陸上自衛隊石垣駐屯地開設に伴い自衛官やその家族および駐屯地関係者の人権を尊重する決議」を全会一致で可決した。野党の7人は退席した。

 決議は、自衛官は不発弾処理や緊急患者空輸、他国のミサイル発射などから「市民の生命と財産」を守っていると評価し、「任務や活動に際し、迷彩柄の作業服や制服で活動することが街中などで増えてくる」とした。その上で「自衛官やその家族の人権を尊重し、同じ日本国民として共に支え合い、地域・文化・経済のより一層の発展を目指す」と訴えた。

 退席した野党の花谷史郎市議は災害救助支援などの自衛隊活動を認めつつ、市内で他の国家・地方公務員、民間などでも「身を粉にして働く人がいる。憲法の範囲内で人権が尊重されるのは当然で、あえて自衛隊員だけに決議するのは疑問だ」と述べた。

 この日の本会議では「玉城県知事の中国との対話による緊張緩和を求める意見書」(賛成16、反対5)と、「日中両国間の諸問題について外交的解決を求める意見書」(賛成11、反対10)も、それぞれ賛成多数で可決した。

 (照屋大哲)

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