立ち枯れチャーギ 教材に 沖縄工業高、建築科で再利用


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建築「教材」として再利用されたチャーギを前に笑顔を見せる沖縄工業建築科の生徒ら=3月16日、那覇市松川の同校

 【那覇】沖縄工業高校建築科の生徒が校内で立ち枯れ状態となっていたチャーギ(イヌマキ)を建築「教材」として再利用している。廃棄予定だったチャーギは現在、防虫処理を施した上で生徒が造ったコンクリート製の台座に設置され、多くの生徒の学びとなっている。

 沖縄の伝統家屋などに使用されてきたチャーギは高級材木として知られ、復元工事が進む首里城正殿にも使われる予定。今回、再利用されたチャーギは1991年に校舎正門近くに植樹され、樹齢は50年を超える。同校用務員の金城俊秋さん(69)によると、2年ほど前から病害虫により立ち枯れ状態となっていたため、今年2月に伐採され、廃棄される予定だった。

 再利用は金城さんのアイデアで、建築科学科長の安座間均教諭の指導の下、建築科2年の9人が材料運びからコンクリートの整形作業などすべての工程を担った。作業期間は約2週間。台座は横5メートル、奥行き60センチ、高さ10センチとなっており、安座間教諭は「学校の授業では扱わない大きさだ。生徒にはいい経験になったと思う」と語った。

 実習を通してチャーギのことを知ったと語る嵩原颯和さん(17)は「コンクリートを造る作業が重労働だったが、なかなかできない経験ができて良かった」と話した。當山心大さん(17)は「これまで授業では小さなものしか作らなかったが、今回大きなものを造ることができて良かった」と語った。

(吉田健一)