沖縄の景況感3期連続でプラス 消費・観光回復で製造業も好転 日銀短観3月


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)が3日発表した3月期の県内企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の業況判断指数(DI)がプラス24だった。前回12月調査から2ポイント改善し、3期連続のプラスとなった。消費や観光の回復が内需を引き上げ、マイナス基調が続いていた製造業がプラスに転じた。小売りや宿泊・飲食サービスが変わらず高い水準を維持した一方、各業種で人手不足感が一段と強まった。

 業況判断DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数。業種別では対事業所サービスが20ポイント改善した。人材派遣業で労働需要が増加するなど高い上昇率でプラス40となった。小売りが23ポイント改善してプラス54で最も高かった。観光や消費の高い水準に下支えされ、製造業も12ポイント改善しマイナスからプラス8に回復した。

 販売価格に関するDIはは4ポイント、仕入れ価格関連は3ポイントそれぞれ縮小し落ち着く様子も見せたが、いずれも先行きでは高い上昇幅を見通す。電力料金の引き上げ予想や販売価格に転嫁できていない企業の動きが背景にあるという。

 好調な観光と消費に伴い雇用人員DIは「不足」超幅は拡大を続け、雇用需要が高かったコロナ禍直前の水準を上回った。

 先行き(6月期)は全産業で1ポイント改善のプラス25だった。調査からは製造業が先行きでプラス30を見通すほか、設備投資の姿勢が積極化している動きも見られる。飯島支店長は「資源高の影響を受けつつも、需要回復は継続している」として、沖縄経済は「良好」との見通しを示した。その上で価格上昇や雇用関係の動きは「注視していく必要がある」と指摘した。
 (謝花史哲)