サンエー増収増益 コロナ緩和で大型店好調


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決算の概要を説明する田崎正仁代表取締役専務=5日、浦添市(普天間伊織撮影)

 サンエー(宜野湾市、新城健太郎社長)は5日、2023年2月期の連結決算を発表した。売上高にテナント収入などを含めた営業収益は前期比4.5%増の2135億2200万円で、創業以来53期連続で増収を維持。コロナ禍の行動制限で伸び悩んでいた大型店が持ち直すなど小売りの各部門で売り上げが前年比を上回った。

 商品値上げの波もプライベートブランド商品や時宜を得た価格転嫁による販促で補い収益を確保し、2期連続の増収増益となった。

 コロナ禍で制限された行動の緩和で外出機会が増え、衣料品の販売や外食部門の売り上げが増加した。観光客が前年を上回ったことも奏功し各部門で徐々に回復。売り上げ全体の6割を占めた食料品の販売力を維持し、在庫管理も徹底したことで経常利益は13.8%増の115億5400万円、純利益は13.6%増の75億6900万円でいずれも当初予想を上回った。食品館など5店舗を閉店する一方で、6月に宮古島シティ店を新規展開し、那覇メインプレイスの大型店を刷新したことも業績を下支えした。

 部門別をみると、食料品は4.0%増の1228億円。家電などの住居関連用品は5.3%増の573億1500万円、衣料品は7.4%増の120億3300万円、外食は最も伸び率が高く27.5%増の80億9900万円だった。安定稼働した大型店が活性化したことが大きかった。連結子会社のローソン沖縄は直営3店舗の売上高は1億7800万円で、フランチャイズ料などを含む営業収益は7.4%増の73億5700万円だった。期末配当は22年2月期の1株当たり60円から14円増配の74円とする。

 24年2月期の業績は、営業収益が4.1%増の2222億200万円、営業利益は4.4%増の116億8300万円、純利益は3.9%増の120億円を予想。光熱費や商品仕入れ価格の高騰など不安材料はあるものの、コロナ禍からの脱却で観光や消費がさらに回復が見込まれることから「見通しはいいだろうと思っている」(田崎正仁専務)と分析した。 (謝花史哲)