普天間飛行場の被害110番、22年度は302件 騒音がほとんど 外来機飛来は過去2番目の多さ


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 米軍普天間飛行場の全面返還合意から、12日で27年が経過した。日米両政府は沖縄県名護市辺野古に代替施設を確保することを前提とする計画を見直さず、周辺住民は今も航空機の墜落や落下物の脅威、騒音被害にさらされている。

 【宜野湾】宜野湾市が2002年度から騒音などの苦情を受け付けるために開設した基地被害110番に対し、22年度に寄せられた苦情は302件だった。また、沖縄防衛局が17年度から実施している目視調査によると、普天間飛行場で22年度に航空機が離着陸などをした回数は2月時点で1万3876回だった。外来機は最多だった21年度に次ぐ2801回となっている。

 離着陸などをした回数で、常駐機は1万1075回となっており、調査開始以来で最少となりそうだ。

 市への苦情の内訳は騒音が291件、地上デジタル放送の受信障害が2件、午前8時に普天間飛行場内から流れる国歌が1件、その他が8件だった。総数は最多だった20年度から2年連続で減少したが、例年通り騒音に関する苦情が内訳のほとんどを占めた。市街地のど真ん中にある飛行場が市民生活に影響を及ぼしている。

 1985年度から飛行場周辺の宜野湾市内で騒音を測定している沖縄防衛局によると、2022年度のうるささ指数(W値)の平均は、年間の騒音発生回数が最も多い大謝名で78・8デシベル、次点の新城で73・8デシベルだった。
 (名嘉一心)