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国内客は「混雑」回避へ 公庫・沖縄旅行調査 「快適だった」の感想減少


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全国旅行支援などの影響を受け、観光客ら多くの人たちが行き交う国際通り=2022年11月23日、那覇市松尾

沖縄振興開発金融公庫はこのほど、国内観光客の沖縄旅行に対する調査結果を発表した。2022年1~9月に沖縄を訪れた旅行者が最も重視した点は「あまり人が密集しないような地域であること」が最も多かった。コロナ禍で落ち込んだ沖縄観光が徐々に回復し、観光客数も増加傾向にあった中、沖縄旅行の感想については「混雑がなく快適だった」という意見が減少。コロナ禍を経て「混雑」を回避したいとの志向に変化しつつあることが鮮明になった。

沖縄旅行者のうち、「混雑がなく快適だった」と回答した人の割合は、前回の調査と比べ15・4ポイント減の31・6%だった。「当初の想定より混雑していた」と答えた人は21年は8・8%だったが、22年は1・6倍の14%に上昇した。

コロナ禍で実施した沖縄旅行を通し「旅行が自分にとって重要なことを再確認した」と回答した人は21年の18・2%から24・6%に増加した。

閑散とした国際通りの店舗に張られたGоTо事業のポスター=2021年1月7日、那覇市

沖縄旅行者の予約時期として、「1カ月を切ってから」と回答した人は年々増加しており、旅行を個人手配する人は19年の52・2%と比較し、20・6ポイント増の72・8%だった。新型コロナウイルスの感染状況などに応じて柔軟な対応が求められることから、団体型旅行より、個人手配で直前に予約する傾向がある。

全国的に観光客の受け入れ意向が回復傾向にあり、「来てほしい」「まあ来てほしい」は22年10月時点で日本全体で24・3%、沖縄県居住者が33・5%と特に沖縄が高くなった。

一方、年代別の県内居住者の受け入れ意向調査では、旅行者に「来てほしくない」「あまり来てほしくない」と回答した人の割合は20代が22・2%、30代が8・1%だったが、60代は33・8%、70代は40%と、高年齢者層の一定数が観光客の受け入れに積極的ではない傾向もみられた。

今回の調査は、日本交通公社が実施した全国の旅行者調査を基に、沖縄旅行者114人分の意識調査などを沖縄公庫が取りまとめた。

(與那覇智早)