沖縄そばの「軟骨ソーキ」が足りない!  頭抱える店 流通量が激減、価格も上昇 一体なぜ?


この記事を書いた人 琉球新報社
品薄で入手困難となっている軟骨ソーキ。在庫がなくなり頭を抱える沖縄そば店=12日、那覇市内
ソーキそば

 沖縄そばの具材として人気が高い軟骨ソーキが品薄だ。約半年前から県内への入荷量減少が顕著になっていたが、コロナ禍の自粛が緩み外食する機会などが増えたことでここ数カ月で顕在化した。県内消費や観光が徐々に回復する中、沖縄そば店を中心に県内の飲食店は頭を悩ませている。

 仕入れ業関係者によると、国外産が多い三枚肉やソーキ肉に比べ、軟骨ソーキは国産が主流。国内の養豚農家減少や2018年から感染が広がった豚熱が影響し、国内の飼養頭数が減ったことが入手困難の背景にある。

 さらに県外の大手飲食チェーンやコンビニエンスストアなど小売りがメニューに軟骨ソーキを導入し始めたことも拍車を掛けた。流通量が減る中でコロナ禍で減っていた需要が戻り、精肉卸の関係者は「少ない供給量が目立つようになった」と分析した。

 原材料や光熱費の値上げで軟骨ソーキの仕入れ値自体が高くなったことに加え、流通量の少なさに、飲食店関係者は「安定供給できた時期は各社月5トン以上は確保できたが、今は2トン入ってきたらいい方だ」と嘆く。

 別の卸業者の担当者も「今は半分くらいしか入ってこない」と吐露。仕入価格の上昇で1キロ350~450円だった精肉の販売価格が、650~800円まで上昇しているという。

 県外からの入荷減少で県食肉センターにも問い合わせが増えた。ただ、県内産は既に契約している取引業者の分量にとどまり、価格帯も県外産を上回ることもあって、不足を補うまでには至っていないのが実情だ。仕入れ関係者は「しばらくは、この状況が続くと思う」と口をそろえた。 (謝花史哲)