カミキリムシ防除で実験 生物農薬「バイオリサ」を使用 安和小のシークヮーサーに卷き付ける 沖縄


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バイオリサ・カミキリをシークヮーサーの木にとりつける第一農薬(沖縄市)の赤嶺達也普及開発課長=13日、名護市の安和小学校

 【名護】春先からかんきつ類などを中心に食害をもたらすカミキリムシを防除しようと、生物農薬「バイオリサ・カミキリ」を使った実証実験が13日、名護市の安和小学校で始まった。ホーベリア菌とよばれる微生物を付着させて駆除する技術で、鹿児島県などで駆除効果を上げている。敷地内に約30本のシークヮーサーがある安和小へ、販売元企業「エス・ディー・エス バイオテック」(東京)が無償で提供した。

 カミキリムシは地面に近い木の幹に幼虫が入り、穴を開けて、木を枯らすこともある。バイオリサは、木の幹に、菌がついたシート状のパルプ不織布をまき付けホチキスで止める仕様となっている。このシートの上をカミキリムシが通ると、節や気門から菌が体内へ入り、増殖。1~2週間程度で、体が白くなって駆除されるという。

 カミキリムシが木の上の方へ上がっていく習性を利用し、成虫を駆除することで産卵数を減らし、地域での発生を抑制することが期待できる。

 バイオリサは化学農薬ではないため、学校などの公共施設で使用しやすい利点がある。安和小では毎年、児童らが校内でシークヮーサーを育て、果汁やジュレとして販売しているが、昨年も多くの木で、カミキリの被害がみられたという。13日にはバイオリサの代理店を務める第一農薬(沖縄市)の赤嶺達也普及開発課長と、同校の岸本五穂子(いほこ)校長ら職員が校内の木にシートを付けていた。
 (池田哲平)