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那覇市内における人流動向の変遷 来県者の行動に変化<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 新型コロナウイルスの流行から約3年が経過し、物価や電気料金の高騰などの新たな問題を抱えながらも県内経済は回復の動きを見せています。沖縄県のリーディング産業の一つである観光産業も同様です。インバウンドはまだ以前ほど回復していないものの、国内観光客は昨年の夏以降、月によってはコロナ禍以前を上回る人数が来県しています。

 沖縄県には多くの観光スポットがあり、観光客でにぎわう様子を目にすることも多いと思われます。しかし、コロナ禍を経て沖縄にやって来た観光客がかつてと同じ場所を訪れているかというと必ずしもそうではありません。

 グラフは那覇市内の4駅において、県外居住者の滞在人口を2019年同週比での増減割合を表したものになります。各駅ともコロナ禍の3年間で流行状況による影響を受けながらも、行動制限がなくなり、感染者数も減少した昨年以降の滞在人口は増加傾向にあります。

 特徴として、県庁前駅は近隣に人気の観光スポットである国際通りがありますが、滞在人口はコロナ禍以前の水準に達していません。一方で、首里駅や小禄駅はコロナ禍以前を大きく上回る滞在人口となっていることもあります。各地点の滞在人口の母数の違いや、ビジネスでの来県者も含まれることは留意しなければなりませんが、来県者の行動が変化していることが考えられます。

 今後、インバウンドの増加も含め、来県者の増加が予想されます。コロナ禍を経て変化したニーズを捉え、沖縄県が観光立県として発展を遂げることを期待します。

(おきぎん経済研究所研究員 小嶺貴史)