陸自ヘリ事故から2週間 今月下旬にも機体のサルベージ作業 不明4人の捜索続く


この記事を書いた人 琉球新報社
海底から引き上げられた搭乗者とみられる人を乗せ、陸自宮古島駐屯地に入る車列=18日午後6時50分ごろ、沖縄県宮古島市
事故機と同型のUH60JAヘリコプター=2022年11月撮影

 熊本県を拠点とする陸上自衛隊第8師団の坂本雄一師団長ら10人を乗せたヘリコプターが沖縄県の宮古島市沖で消息を絶った事故の発生から、20日で2週間が経過した。18日までに隊員とみられる6人が伊良部島の北側約6キロの海底で見つかっており、うち5人が引き上げられて死亡が確認された。19日も航空機や艦艇、陸上部隊による捜索が続いたが、依然4人が行方不明となっている。機体の主要部も見つかっており、防衛省は今月下旬にも民間企業に委託して引き上げに向けた作業を始める構えだ。

 ▼位置情報発信機の「ビーコン」が未装備 発見遅れにつながったか

 19日には潜水艦救難艦「ちはや」が補給のために現場海域を離れ、深い海で長時間作業できる「飽和潜水」は実施しなかった。隊員とみられる1人が機体の主要部周辺で見つかっており、防衛省・自衛隊は引き上げの方法を急ぎ検討している。

 陸自は、機体の胴体部分引き上げに向けてサルベージ会社などと契約するための手続きに入り、16日に入札手続きを始めた。21日に入札して業者を選定し、可能な限り早く引き上げたい考え。ただ、機体の状態次第で作業の進めやすさが変動することから、契約期間は6月末までとしている。 (明真南斗)

 

【関連記事】

 ▼不明者捜索で6人目発見 先に発見の5人全員死亡

 ▼【動画あり】陸自ヘリ、150メートル近くの低高度で飛行か 防犯カメラに直前映像の可能性 事故から1週間

 ▼原因究明と記録回収が鍵 陸自ヘリ事故5人発見 機体主要部も同じ所に

 ▼【図解】「飽和潜水」とは 知床半島沖の観光船沈没でも注目 宮古沖陸自ヘリ事故