沖縄セルラー電話(菅隆志社長)は27日、2023年3月期の連結決算(対象子会社2社)を発表した。売上高に当たる営業収益は772億9900万円、本業の利益に当たる経常利益は161億3千万円で、11期連続増収増益となり、過去最高を更新した。純利益は108億5200万円となった。
前年同期との単純比較では営業収益、経常利益ともにそれぞれ5.3%増、純利益は1.8%増。営業利益は11期連続、純利益は10期連続の増益となった。端末販売収入の増加や、「ガラケー」などで使う第3世代(3G)のサービス終了に伴う関連設備費用の減少とコスト削減などで増収増益につながった。
1契約当たりの月間平均収入を表す「マルチブランド通信ARPU」は減少したものの、スマートパスなどの付加価値ARPU収入の増加により、総合ARPU収入は前期比0.2%減にとどまった。
スマートフォンなどモバイル総契約数は同2.0%増の66万2200件、家庭向け光ファイバー通信(FTTH)の累計回線数は3.7%増の11万9100件だった。
電力供給サービス「auでんき」の燃料費調整額として約8億5千万円を支出していたが、昨年11月に上限撤廃。この影響でauでんきの総契約件数は前年比21.8%減の6万2600件となったが、燃料費調整額負担がなくなったことで、24年3月期には増益が見込まれている。加えて、通信ARPU収入の底打ち反転を1年前倒しにすることを決めた。24年3月期は営業収益が10億9900万円減の762億円、営業利益は3億6800万円増の163億円、純利益は6億4800万円増の115億円と予想している。
菅隆志社長は「新設したソリューション営業本部を強化し、業務効率化クラウドサービスの提供で県内企業の発展をサポートする」と述べた。
(普天間伊織)