辺野古住民「基地できれば苦痛」 抗告訴訟で原告適格を主張


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福岡高裁那覇支部

 名護市辺野古の新基地建設で、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相裁決は違法だとして、周辺に暮らす住民が裁決の取り消しを求めた抗告訴訟の控訴審第1回口頭弁論が27日、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)で開かれた。米兵に母親の命を奪われた辺野古住民の金城武政さん(66)が意見陳述し、「将来基地ができればさらなる苦痛が生じるのは明らかだ」と訴えた。

 那覇地裁は昨年4月、住民側の原告適格を認めず訴えを却下し、住民側が控訴していた。国側は答弁書で那覇地裁判決が正当であるとして、住民側の控訴棄却を求めた。

 27日の弁論では、住民側の白充(ペクチュン)弁護士が主張の要旨を陳述した。憲法32条で裁判を受ける権利があるなどとし、原告適格の正当性を強調。沖縄防衛局が示した工事の方法には「無理があり、工事自体が不可能」として、新たに専門家の意見書を提出する考えを示した。住民側弁護士などによると、7月19日に進行協議を開き、次回期日などを決めるという。