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沖縄県内宿泊施設の収容人数推移 個人旅行増で宿泊型伸び <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2023年3月の沖縄県のコロナ感染者数は約2千300人と、流行時の感染者数から減少しました。反面、入域観光客数は増加しており、にぎわう夏の沖縄に戻ることが期待されます。

 観光客の受け皿となる県内ホテルの収容人数はどのように推移しているのでしょうか。図は宿泊施設(タイプ別)の収容人数と増減率(前年比)です。22年のリゾートホテル(レストランや結婚式会場などの付帯施設を備えたレジャー型ホテル)の収容人数は6万4千人となっており、増加率はおおよそ5%で推移しています。シティホテル(宿泊機能のほかレストランや結婚式会場、宴会場などの付帯施設を備えた多機能・都市型ホテル)は、17年に16・1%と大きく増加した一方、21年には減少し、収容人数は同程度で推移しています。

 22年のビジネス・宿泊特化型ホテル(宿泊機能を中心としたタイプ)の収容人数は5万3千人と、5年前である17年と比較すると2倍以上に増加しています。増減率は19年の26・7%をピークに減少傾向にありましたが、22年に再び増加しています。

 観光はコロナ前から団体旅行から個人旅行にシフトする動きがあり、コロナを機にその流れが加速しています。個人旅行需要の高まりを踏まえた宿泊需要増加や、他ホテルタイプより人手がかからず運営しやすいことなどが増加要因に挙げられます。

 一方、差別化しにくく価格競争にさらされやすい面もあると思われ、運営や事業計画においては積立による質の維持(修繕積立金)、環境変化などへ備えをすることがコロナ禍から得た教訓になりそうです。

(おきぎん経済研究所研究員 新垣富宏)