かつお節、シーチキンなど5件で那覇市がトップ 食料207品目、10年連続で全国1位の街を調べてみた 家計調査52都市支出


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 家計調査の細目全488品の1世帯当たり年間支出額を全国52都市別に分析すると、食料207品中23品(11%)で同じ街が10年連続1位となったことが分かった。衣料や住宅関連など非食料281品ではゼロで、生活様式の中でも食文化の継続性が根強いことをうかがわせた。個性的な食文化に着目することで観光資源の掘り起こしにも役立てられそうだ。

 共同通信が県庁所在地や政令指定都市など全国52都市に関して、2013年から22年の2人以上世帯の支出額を独自に調べた。

 52都市中、10年連続トップの品目が最多なのは那覇市で、「かつお節・削り節」(全国平均の3・2倍)、「魚介の缶詰(シーチキンなど)」(同2・1倍)など5件が入った。

 福井市は油揚げ支出額が22年まで10年連続トップ。当地ではこれを主菜とする油揚げ定食が根付く。背景にあるのは精進料理の伝統だ。

 長崎市民のカステラ消費は突出し、1年平均の世帯当たり支出額は約5800円と全国平均の6・8倍に達した。高知市はカツオの支出が全国平均の5・4倍だ。水戸市のメロン、鳥取市のナシと同様、特産品を地元の人が一番多く食べている例となる。

 特色が見られるのは伝統料理に限らない。過去10年中9年で同じ都市が首位だったのは山形市のラーメンなど全488品中20品目。21年は新潟市に抜かれて苦杯をなめたが22年に返り咲き、山形市は23年2月にラーメンの「聖地宣言」を出した。

 ギョーザは宇都宮、浜松、宮崎3市がトップを分け合う。宮崎は「宮崎県をギョーザ県に」と積極的に食文化を町おこしに生かし、21、22年に連覇した。

 非食料では広島市民のスポーツ観覧料が高く、札幌市はたばこの支出が多いといった特徴が見られたが、食べ物の好みほどの地域差は出なかった。

(共同通信)