ジュゴン泳ぐ海へ希望と決意 辺野古の浜で追悼会「また戻ってきて」


この記事を書いた人 琉球新報社
祭壇に飾られたジュゴンの絵をなでる参加者=4月30日、名護市辺野古の浜

 【辺野古問題取材班】2019年3月に今帰仁村沖でジュゴンの死骸が漂着しているのが見つかったことを受け、浜の清掃活動などに取り組む辺野古の浜を守る会は4月30日、「五回忌ジュゴン追悼の会」を開いた。参加者は浜に設けられた祭壇に手を合わせながら「また戻ってきて」「待ってるよ」と願った。

 国指定天然記念物のジュゴンを巡っては、新基地建設が進む名護市辺野古の大浦湾に近い同市久志の沿岸海域で、ふんが発見されていたことが今年4月に県の調査報告書で明らかとなった。20年ほど前に大浦湾でジュゴンを目撃したという具志堅徹さん(83)は「ジュゴンが元気でいるのであれば、工事を止めてジュゴンを守ろうという思いで参加した」と初参加の思いを語った。

 辺野古の浜を守る会の志茂守信さん(64)は「生きていることが分かり、浜に帰ってくる可能性が高くなった。帰ってくるのを邪魔しないでほしい」と工事の中止を訴えた。
 (武井悠)