沖縄県、32軍壕第1坑道の床面2カ所を確認 第1坑口特定に向け調査 公開目指す


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沖縄県庁

 沖縄戦を指揮した第32軍司令部壕の第1坑道との推定位置が県の2022年度詳細調査で明らかになった。今後、県は第1坑口の特定に向けて試掘や考古学的調査を行い、26年度の公開を目指している。

 2日に発表された調査結果では、第1坑道の床面が2カ所で確認された。県によると、日本軍による爆破の影響で米軍側も直接確認できなかった地点という。

 坑道床面の深さは、園比屋武御嶽石門付近の調査地点は地表から10.8メートル、歓会門付近は15.73メートルだった。いずれのポイントも床面から約2メートルとされる坑道の高さまで土砂で埋まっていた。その上部には坑道の崩落によって生じた可能性がある空洞も確認されている。

 県は2地点の坑道床面を参考に、首里城内にある第1坑口も推定。県特命推進課によると、1965年ごろに那覇市が第1坑口を調査したとみられているが、市側に資料が残っていないため、試掘調査などで特定作業を進めていくという。
 (嘉陽拓也)