県統計課は8日、2020年度の県民経済計算の概要を公表した。県内総生産(GDP)は名目4兆2609億円で、物価の価格変動を除いた実質は4兆1366億円だった。経済成長率は名目で前年度比5.4%減となり、統計基準が改定された2011年度以降初めてマイナス成長に転じた。実質は同6.0%減で6年ぶりのマイナス成長だった。5%以上のマイナス成長は11年度以降、初めて。1人当たり県民所得は前年度比7.1%(16万5千円)減の216万7千円で2年ぶりに減少に転じた。
20年度は新型コロナウイルスの感染拡大が続いた。全国的に行動制限を強いられたことにより、基幹産業の観光産業が低迷して県内GDPに響いた。
1人当たり国民所得を100とした場合、1人当たり県民所得の水準は72.8で、前年度から0.6ポイント減少した。所得金額は全国との差が80万8千円あり、依然として大きな開きがある。
第1次産業の県内総生産は前年度比13.0%(74億6200万円)減の497億9千万円で、産業全体の構成比は1.2%。特に落ちこんだのは水産業で同18.1%(19億800万円)減だった。
第2次産業は同7.6%(512億2100万円)減の6187億2200万円で構成比は14.5%。
第3次産業は同4・9%(1878億9200万円)減の3兆6223億5900万円で構成比は85.0%だった。特に運輸・郵便が同34.8%(970億5500万円)減、宿泊・飲食サービス業が同34.5%(615億6400万円)減と観光関連産業が大きく落ちこんだ。
19年度から国規定に沿って計算基準の変更があった。これに伴い、県は11年度以降に公表した県民経済計算の各種数値も修正した。
(梅田正覚)
【関連リンク】
▼沖縄の男女格差を全国と比べてみた 都道府県版の2023年度指数を公開