事故後の代車手配を簡素化 大同火災とカフリックス 車両の一括管理システムを開発へ


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基本合意した(左から)大同火災海上保険の山里武司経営企画部特命部長とカフリックスクラウドの辛正民社長=10日、那覇市の大同火災海上保険本社

 大同火災海上保険(那覇市、与儀達樹社長)とレンタカー予約システムを提供するカフリックスクラウド(那覇市、辛正民(しんじょんみん)社長)は10日、交通事故後の代車手配業務の簡素化を図るプラットホーム構築に向け協力していくことに基本合意した。これまでレンタカー会社など車両提供事業者に一つ一つ問い合わせるなどアナログ対応が多かった配車業務で、今後は一つのシステム上で代車予約や在庫が一括管理できる仕組みをつくり、利便性の向上を目指す。

 カフリックス社が開発したレンタカー予約のシステムを活用する。10日からサービスを展開するための基盤づくりに着手し、年内の運用開始を目標に開発を進める。

 現在は事故発生後に代理店から連絡を受けた担当者が電話やファクシミリで事業者に代車の有無を確認。事業者は依頼を受けてから空き状況や車種、提供可能期間を調べて手配している。そのためレンタカー会社の繁忙期は確認作業が複数にわたるなど互いに事務負担になっているという。

 今回の事業は、各事業者が保有する車両情報を一つの基盤で集約、把握し、手配の割り振りも自動化することで、煩雑になっていた業務の迅速化を図る狙い。

 両社によると、代車を必要とする事故は、年間(2019年参考)で全国が約100万件、県内では約1万件発生。損保会社は同様の課題を抱えているとして、今後は大同火災だけでなく、他社にも利用を促す。車両提供事業者の負担軽減にもつなげていきたい考えで、県内から全国への展開も視野に入れる。

 山里武司執行役員経営企画部特命部長は「レンタカー会社の人手不足や業務負担を感じていた。損保全体にもアプローチできないかと思っている」と意義を語った。

 辛社長は「話を聞き必要性を感じた。利便性が高くなると確信している。」と意欲を示した。
 (謝花史哲)