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新型コロナウイルスの影響から沖縄経済が回復へ向かう中で、県内地銀3社の2023年3月期連結決算は合計純利益が2年連続の増加となり、「V字回復」の様相を見せた。ただ、コロナ禍で県内企業が受けた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が今後本格化することや、海外の金利上昇に伴う有価証券の運用など、不確実性が伴う。
融資先の破綻などに備える与信コストは、各行が21年3月期に大幅に積み増し、以降は減少傾向が続いた。今後は本格的にコロナ関連の貸出金の回収の局面に入る。
「フォワードルッキング」と呼ばれる引き当て手法を導入している琉球銀行は今期も引当金を取り崩し、与信費用は7億7千万円の戻し入れ益を予想する。川上康頭取は倒産件数は増加するものの「県経済の全体の足を引っ張るインパクトまではないだろう」とみる。
沖縄銀行は今期の与信費用を前期比3億円減の12億円と見込む。山城正保頭取(OFG社長)は経済が回復基調にあることに触れ「業種別で厳しいところはあるが、回復は十分見込める」とした。
一方、沖縄海邦銀行は前期比17・5倍となる7億7千万円の与信費用を想定。新城一史頭取は「条件変更をしても資金繰りが厳しい先は一定数いる。保守的な予想を立てている」と語った。
コロナ禍の影響のほか円安や物価高、人手不足など、県内企業はさまざまな課題に直面する。地銀3行には、取引先の収益力改善や顧客ニーズに合わせたサービスの充実、信用リスクの適切な管理など、沖縄経済の成長と好循環の実現に向けた包括的な取り組みが問われる年になる。
(當山幸都)
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