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空き家問題 売る・貸す・使う、方針決めて <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 最近の社会問題の一つとして「空き家問題」が挙げられます。

 総務省の調査によれば、長期間居住者がいない、いわゆる「空き家」は、2018年時点で、約848万戸となっており、今後も増加が予想されています。

 空き家の発生原因は、居住者の死亡や転居、実家を相続した子などが居住しないなどさまざまです。愛着のある実家の売却をためらったり、他人が住むことに対する抵抗感があって賃貸にも出さないなど、居住可能な住宅であるにもかかわらず、結果的に空き家になってしまうケースもあるようです。

 空き家を管理せずに放置すると、劣化が早く進む他、家屋の倒壊、ごみの不法投棄、雑草の繁茂など衛生面や景観に悪影響をもたらす可能性があります。老朽化した建物が崩壊し、他者に損害を与えてしまうと損害賠償責任を問われる可能性もあります。

 空き家を発生させないためには「売る」「貸す」「使う」「解体する」などの方針を決め、方針に合ったサービスなどを活用することが重要です。「売る」「貸す」であれば、行政の運営する『空き家・空地バンク』などの利用、今後「使う」のであれば、空き家をリフォームし利用するなど、目的に応じてさまざまな方法が考えられます。最近では、空き家を古民家カフェや民泊として活用した事例もあり、積極的な運用も増加傾向にあるようです。住宅を所有している方は自身の住宅が今後どのような歴史を歩むのか想像することが肝要です。ぜひ、「お家」についてご家族と話し合ってみてはどうでしょうか。

(沖縄銀行宮古支店支店長 安里学)