沖縄の日本復帰から51年、軍備増強と戦争にNO 5・15県民大会で「暮らし守る」誓い


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基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるため尽力することを宣言し、拳を上げる県民大会の参加者=14日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟(ジャン松元撮影)

 沖縄の施政権を米国が日本に移管した「復帰」から、15日で51年を迎えた。14日には「復帰51年 5・15平和とくらしを守る県民大会」(同実行委員会主催)が、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で開かれた。13日の平和行進の参加者や一般県民ら1400人(主催者発表)が集まり、沖縄で進む軍備増強を許さず、県民の暮らしを守る平和な島の実現を誓い合った。

 復帰50年の節目を迎えた22年の12月、政府は反撃能力保有を明記した安全保障関連3文書を閣議決定。台湾有事に備えた「南西シフト」も進む。変わらぬ米軍基地の集中に、新たな負担がのしかかり、県民の望む基地のない平和な沖縄という理想から遠ざかっている。

 県民大会では、主催者を代表し比嘉京子実行委共同代表が「沖縄県民は戦争ほど愚かなものはない、平和ほど尊いものはないという信念を持っている。この平和の種を沖縄から持ち帰って広げてほしい」と主張した。全国から駆けつけた参加者に、自分事として各地で戦争を起こさせない取り組みに努めるよう要望した。

 玉城デニー知事も来賓として参加した。沖縄の過重な基地負担の軽減を政府に働きかける一方、「沖縄戦の記憶を風化させず過ちを繰り返さないために、教訓を次の世代に伝え、平和を育成する肝心(ちむぐくる)を世界に発信しよう」とアピールした。

 大会宣言も参加者の拍手で採択された。沖縄の復帰とは、主権在民、基本的人権の尊重、平和主義の憲法に帰ることだったと指摘。憲法を改ざんしようとする動きに懸念を示し「基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くす」ことを確認した。(小波津智也)