【要旨】沖縄復帰51年、5・15県民大会宣言


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基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるため尽力することを宣言し、拳を上げる県民大会の参加者=14日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟(ジャン松元撮影)

 昨年、復帰50年を迎えた。私たちは基地のない平和な島を実現しなければと願い、行動し続けてきたが50年目の内実は米軍と自衛隊の軍備が増強され、島々は軍事要塞(ようさい)のごとく変貌している。

 南西諸島の問題だけでなく、安保3文書は5年間で43兆円もの莫大(ばくだい)な防衛費をつぎ込み、さらなる軍備拡大が計画されている。日本が米国の東アジア戦略に組み込まれた米国のための不沈空母となっている。

 4月28日に講和条約から71年がたったが日本は主権国家と言えるのだろうか。米国の属国と言っても過言でなく、私たちはこの現実を直視し、主権者として跳ね返していかなければならない。

 2015年の安保関連法では世界中で「戦争をできる国」へ変質したが、安保3文書では「戦争をする国」に変貌しようとしている。中国や北朝鮮、台湾有事は日本有事と危機をあおり立てながら軍備を増強させ、それを抑止力という漠然とした言葉で覆い隠している。

 外交や防衛は国の専管事項ではない。私たちも、まずは東アジア地域の人々と手を携えて戦争をさせない、戦場にさせない努力を続けてくべきだ。沖縄が復帰を目指した先は、日本国憲法の下へ還(かえ)ることであった。その憲法が改ざんされようとしている今、私たちは憲法を守り抜くべきだ。

 沖縄を、日本を戦場にさせない。県民大会参加者一同は基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くすことを宣言し、全国のそして世界の友人に誓う。