井上(北中城)ロード制す 初めての路上、全国に向け糧に <県高校総体2023>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
トップ集団からそのまま後続を突き放して優勝した井上幸洋(北中城)=14日、宜野座村の漢那ダム特設コース(又吉康秀撮影)

 2023年度県高校総合体育大会の先行競技、自転車の第2日は14日、宜野座村の漢那ダム特設コースで男子個人ロードレース(59.4キロ)を行った。第1日の13日に個人1種目、団体2種目を制した井上幸洋(北中城)が出場16選手のうち12人を追い抜き、1時間38分49秒351で4冠に輝いた。ロードレースはコロナ禍のために20年度から自転車競技場などで実施されていたが、23年度は4年ぶりに路上にコースが設定された。

 最終日の15日、県総合運動公園自転車競技場で16キロポイントレース、4キロ速度競走の個人種目を行う。

 1周2.7キロを22周する特設コース。井上幸洋(北中城)は自らがペースをつくり、徐々に上げて第1集団を絞っていく計画を立てていた。だが、序盤の2周目、大城朝海(北中城)が仕掛け、第1集団は井上と大城、諸見航太郎(北中城)の3人に一気に絞られる。「うれしい誤算だった」と井上。中盤の9周目、井上が仕掛けて諸見が沈み、第1集団は井上と大城が並走する形となった。

 終盤、残すところあと5周。「出し切ろう、一気に離す」と井上が再度仕掛けて独走。大城に1分4秒371の差をつけて1時間38分49秒351でゴールし、ガッツポーズを決めた。

 県高体連専門部は4年ぶりに路上コースを設けるに当たって、8月の全国総体を意識し、複数箇所のアップダウンとコーナーをあえて組み込んだ。県内で行われた公式大会で初めて路上を走った井上は厳しい角度に「初めは怖かった」というが周回を重ねていくうちに慣れ、全国総体に向けて糧を得たようだ。同時に慣れない路上で前半に消耗し「後半はスピードを出せなかった」と反省も口にした。

 6月中旬に九州総体、下旬に全日本選手権ロードレースが控える。「ロードは力と技が試される。もっと長く踏み込み続けられるようにしたい」。九州での優勝、全日本、全国総体での上位を掲げ「道筋は見えている」と力を込めた。
 (安里周悟)


 【男子】
▽ロードレース(59・4キロ) (1)井上幸洋(北中城)1時間38分49秒351(2)大城朝海(同)1時間39分53秒722(3)久貝一心(同)1時間40分53秒471