ゴール直前、粘って差し切る 大城(北中城)ケイリン制す 県高校総体


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ケイリン決勝 最終コーナー手前で仕掛ける北中城の大城朝海(上)=15日、県総合運動公園自転車競技場(大城直也撮影)

 2023年度県高校総合体育大会の先行競技、自転車の最終日は15日、県総合運動公園自転車競技場で行われた。最終種目の男子ケイリンは大城朝海(北中城)がゴール前のスプリントを制した。男子4キロ速度競走は全国選抜大会3位の井上幸洋(北中城)が圧勝して5冠に輝いた。男子1キロタイムトライアルとスプリントは伊藤疾風(南部農林)が優勝した。男子学校対抗総合得点は北中城が107点で21連覇を果たした。先行競技は自転車のほか、19日から卓球とボウリング、20日からバドミントンとテニス、21日に水球が行われる。総合開会式は26日に県総合運動公園レクリエーションドームで行われ、各競技は27日から本格的に始まる。

 最終コーナーを抜け、スプリントを制した大城朝海(北中城)は雄たけびをあげた。拳を突き出した大城には、会場から拍手と歓声が送られた。

 大会最終種目となった男子ケイリン。勝負を決める200メートル手前の第2コーナーを過ぎたところで、先頭を走る伊藤疾風(南部農林)に仕掛けた。だが、うまく駆け出せない。16キロのポイントレースの疲労と、伊藤のコース取りに押さえられてしまう。

 「最終コーナーまで粘れば勝てる」。第3コーナーからの短いはずの70メートルを長く感じたという。「必死だった。最後は気持ちの戦いだった」。最終コーナーで勢いをつけ、ゴール直前で先頭に立った。自らの勝利を知ったのはゴールラインを越えたときだったという。

 「第2コーナーで駆け出せていたら理想だった」と反省を口にしつつも「うれしくて泣きそうになった」と喜びをかみしめた。

 小中学生のときに水泳で鍛えた持久力に自信がある。一方で瞬発力を課題に挙げる。筋力と体重移動を鍛え、九州では1キロタイムトライアルかケイリンでの出場を目指す。競輪選手という夢に向かう疾走は力強い。
 (名波一樹)