こんな形の本もある 認定絵本士、広げる子どもの可能性 沖女短で養成講座


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学生たちに変わった形の絵本を紹介する、沖縄市立図書館司書の上地美智子さん=1日、与那原町の沖縄女子短期大学

 5月は「図書館振興月間」。与那原町の沖縄女子短期大学では2021年度から「認定絵本士」の養成授業が開かれている。認定絵本士は絵本の特性を理解し、読書活動の推進に携わる専門家。同校では保育士、幼稚園教諭を目指す学生が受講している。活字離れ、図書館離れが懸念されている中で、授業の講師を務める司書らは「図書館は知る喜びを体験できる場所。子どもの知的好奇心に応えることができる絵本のことをもっと知ってほしい」と、学生に魅力を発信している。

 1日の授業では、沖縄市立図書館司書の上地美智代さんが講師を務めた。上地さんは授業の冒頭で同図書館を例に挙げて、最近は幼い子ども連れの保護者も利用しやすいようなスペースが設けられていることや、図書館利用者が他の利用者にお勧め本を紹介するコーナーの設置など、より良い読書環境が整備されていることを紹介した。

 図書館だけでなく、「絵本の進化」も説明した。子どもの興味を引き付ける、変わった形の絵本や、ジェンダーや過敏症、発達障がいなど、個や社会の理解を深める絵本、大人の学びにもつながる絵本が増えていることを紹介した。

 上地さんは「子どもは好奇心旺盛で、毎日新しいことに触れてドキドキしている。本はその知的好奇心に応えてあげることができる」と話し、読書や図書館による可能性の広がりを訴えた。

 受講生の児童教育学科2年の知念留香さん(19)は「こんなにいろんな種類の絵本があることを知らなかった。まだ知らない世界や知識に出合えることがおもしろい」と話した。同年の澤岻美空さん(19)は「絵本を通して子どもと会話ができるのがいい。子どもの感性も豊かになって、いろんな意思表示につながると分かった」と笑顔を見せた。
 (嘉数陽)