「もう一度平和考える」表現、104作の頂点に 復帰50年、反響大きく 琉球新報・沖縄タイムス合同広告


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 第71回全広連金沢大会で、「第2回鈴木三郎助全広連地域広告大賞」のグランプリを獲得した琉球新報と沖縄タイムスの紙面広告「ハブとマングースの対話」は、人間によって対立の象徴にされたハブとマングースが「また人間が、平和をむずかしくしている」「いいかげん、仲良くしなよ人間どうし」とそれぞれ語らい合う構成になっている。世界各地で続く紛争を憂いつつ、平和構築の大切さを訴えた。掲載後、大きな反響を呼んだ広告はまず「プリント部門賞」を獲得し、8部門計104点の応募作の頂点となる最優秀賞に決まった。

第41回広告賞の総合グランプリを受賞した「ハブとマングースの対話」

 2022年5月、沖縄の日本復帰50年の節目を記念して、ライバル新聞社2社が協力。「対立関係の象徴」とされるハブとマングースを反戦のモチーフとして、「争いをやめて平和な世界を目指そう」というメッセージ広告を紙上から発信した。

 ハブとマングースは本来、生物学的な敵同士ではないが、人間によって対立させられ苦しめられた歴史があり、その2匹が現在の人間たちについて語り合う中に、人類が気付くべきメッセージがあるのではないかと問いかけている。掲載直後から大きな反響があり、各メディアに露出され、SNSでも意見の発信や議論が繰り広げられた。

 世界においても軍事侵攻などの大きな問題を抱える中で、日本復帰50年の節目に沖縄ならではのモチーフを生かした地域性と独創性。ライバル2社がジャーナリズムを伝える姿勢を示し「もう一度平和について考える」きっかけを作る表現は、プリント部門という枠だけに収まらないSNSをはじめとする他メディアへの広がりも見据えた設計が高く評価された。


風刺の精神 生かし深み

 普久原均琉球新報社社長の話 新聞には時代への風刺精神がある。その特性を生かしたユーモラスで深みのある広告を制作したADKさんに感謝したい。受賞を機に厳しい競争をしている沖縄2紙が協力すべきは協力し、競うべきところは適正に平和的に競い合いたいと思う。

広告を通し地域活性化

 武富和彦沖縄タイムス社社長の話 がっぷり四つに組んだ沖縄2紙のライバル関係があってこその受賞だと思う。手を取り合うべき時は手を取り合い、いい広告を出したい。沖縄が元気になれば日本も元気になる。これからも新聞広告を通して地域活性化に取り組みたい。


<用語>鈴木三郎助全広連地域広告大賞

 全広連3代目理事長、鈴木三郎助氏からの寄付金を基に2007年に創設され、22年に現在の名称に改めた。地域の産業・経済・文化スポーツに関する広告活動を通じて、「新規性または独創性に富んだアイデアによるもの」「高い広告的効果を生んだもの」「大きな社会的意義・貢献度を持つもの」などに該当する優れた広告コミュニケーション活動を顕彰することにより、地域活性化の促進を目的としている。