思い出の写真、ブロックチェーンで残す 次世代写真館サービスを始めたパレットリンク沖縄の「うむい」とは


この記事を書いた人 琉球新報社
新たなデジタル技術を使って永久的に画像を残すサービスの開発、提供を始めたパレットリンク沖縄の仲宗根真社長

 データ保存技術の開発を手がけるパレットリンク沖縄(北谷町、仲宗根真代表)は新たなデジタル技術を使って永久的に画像などを保存でき、いつでも手軽にスマートフォンなどのモバイル媒体で閲覧できるサービスを始めた。次世代写真館「UMUI~うむい~」として発売し、フォトウエディングなど沖縄観光を中心とした活用を目指している。

 通常のデータ保存はハードディスクや大手企業が一元管理するサーバーが一般的。同社は固定のサーバーとは別の保存方法として開発されたブロックチェーンの仕組みを採用した。ネットワーク上にある個人の通信媒体をつないで保存可能な基盤をつくる手法でブロックチェーン上に直接記録を残す。外的な問題に強いとされ、消去される危険性が大幅に軽減されるという。

 さらに「うむい」では、今までは難しかったデジタルデータに固有IDや発行期日、所有者アドレスなどをデータそのものに付与できる「NFT」という技術でオリジナル性を持たせることを可能にした。従来は複製された場合、原本との判別ができなかったが、仲宗根代表は「唯一無二のデータとして残していける。この技術はまだ認知度は低いが、今後あらゆるデータのデジタル証明書として広く活用されていくと思う」と期待を込める。

 保存するだけでなく、キーホルダーなど携行品に非接触のパスを埋め込み、スマホにかざすだけでブロックチェーン上に保存した画像が映し出される仕組みのサービスも展開する。「パスワードでログインしなくても家族写真などを素早く簡単にいつもで見られる」と紹介。初年度の売り上げ目標は300万円。仲宗根社長は「記念写真のほか、観光客の訪問地での思い出を恒久的に残すお手伝いをしていきたい」と意欲を示した。
 (謝花史哲)