名護の野菜で簡単調理 ゴーヤー、トウガン、パパイアも 大阪の生協、「ミールキット」好評


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名護市の農業生産法人KSファームで生産された野菜を使用した、いずみ生協の「ミールキット」

 【名護】名護市の農業生産法人KSファーム(島袋勝博社長)が生産したゴーヤーやトウガンなどの野菜が、大阪府南部の25市町村をカバーする大阪いずみ市民生活協同組合(堺市、いずみ生協)で販売する「ミールキット」に使用され、好評を博している。KSファームのゴーヤーとトウガンを使ったメニューの2品が5月に入って1週間に約2400セット売れ、いずみ生協が販売する他の商品と比較しても、売上が上位に位置しているという。

KSファームが生産した野菜を使用した、いずみ生協のミールキットを調理する関係者ら=19日、名護市中央公民館

 ミールキットは、必要な分の食糧や調味料がパッケージされた商品。調理法なども同封され、料理に不慣れな人でも簡単に調理できるとして、都市部などを中心に認知が広がっている。

 いずみ生協は組合員世帯数が55万人と、市場規模が大きく、さまざまなミールキットを組合員向けに販売している。そのうち、KSファームからは、時期に合わせてビッグピーマン、青パパイア、インゲン、ゴーヤーなどを仕入れて、キットの食材として使用しているという。

 18日には、ミールキットの試食会が名護市中央公民館で開かれた。いずみ生協の担当者と、KSファームの島袋社長ら生産者が参加。同社から選果を受注している、就労継続支援B型事業所「ワークサポートひびき」の利用者らも加わり、調理のしやすさや野菜類の品質などを確かめた。

 いずみ生協は、安定して品質の良い野菜を生産できるKSファームの体制や、消費者の声を受けて他と差別化できる商品であることなどを評価しているという。

 同生協宅配商品グループのリーダー、塚本和彦バイヤーは「生産者しか分からないことがある。実際に訪れて生産者とつながる機会を今後もつくっていきたい」と語った。

 KSファームの島袋社長は「自分たちで作った農産物が消費者に届けられる商品となっていることを実感できるいい機会となった。出荷先をつくることで、市場の暴落に影響されず安定的な経営ができるようになる」と語った。

 試食会の参加者からは「作りやすくて、おいしい」との声も上がった。

 (池田哲平)